20代・30代・40代からの認知症予防対策

認知症を予防するための対策は20代・30代・40代からが大切です。

認知症と糖尿病とAGEの関係性について

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いかについて書き綴っていますが、この記事では「認知症と糖尿病とAGE」の関係性について書いていこうと思います。

 

前回の記事「認知症の原因にもなるAGEとは?」では、山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードを食べるな』を取り上げ、老化を促す終末糖化産物「AGE」は認知症の要因にもなるということについて述べました。

 

今回はまず山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードは食べるな』の中で述べられている糖尿病と認知症の関係性の箇所を引用してみたいと思います。

 

 糖尿病の患者さんには認知症が多いというお話をしましょう。

 理由の一つは、やはりAGEです。糖尿病の患者さんは高血糖にさらされているもので、体内のタンパク質がAGE化しやすい。その中にはアミロイド化したタンパク質も含まれます。

 それが脳で起こると、老人斑といわれるアミロイドの沈着が起き、認知症を引き起こすわけです。

 もう一つは、糖尿病の患者さんは動脈硬化を起こしやすい。血管がつまる脳血管障害が多いため、脳細胞への血流、栄養が途絶えて細胞が死んでしまい、ぼけるのが早いというもの。

 つまり糖尿病の患者さんは二重に認知症になりやすいといえます。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p174~175

 

山岸昌一氏は『老けたくなければファーストフードを食べるな』のなかで、「AGE」とはヘモグロビンA1cに代表される糖化物質が変質しきった、毒性の強い物質のことであり、「糖化物質の慣れの果て」だと述べています。

ちなみに「ヘモグロビンA1c」とは「正常なヘモグロビンに糖がたんこぶのようにくっついて変質した「糖化産物」」のことであり、高血糖の時に増えると言います。

そのため糖尿病の患者さんは血液中のヘモグロビンA1cの割合が高いのです。

 

そして「AGE」とは「ヘモグロビンというタンパク質の周囲に四方八方からお菓子のように糖がベタベタとくっついた状態」なのであり、さらに「やっかいなのはこのAGEという最終的な糖化物質が、なかなか代謝されずに、長期間体内にとどまるという点です。赤血球が四ヵ月で入れ替わっても、AGEだけは残ってどんどん蓄積されていく」と述べています。

 

また山岸昌一氏は、インスリンの抵抗性が強い患者さんの「糖尿病では、インスリン分解酵素代謝のために分解酵素が使い果たされてしまう」ため、酵素がアミロイドを分解するために回らず、「アミロイドがどんどん沈着して老人斑が広がる」ことで認知症の進行につながるとしています。

したがって、糖尿病と認知症の発症は隣り合わせなのであり、20代・30代・40代の若い頃から認知症を予防するためには白砂糖や、果糖、異性化液糖などの糖質の摂り方に気をつけていく必要があると考えられます。

 

認知症と糖尿病

 

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認知症の原因にもなるAGEとは?

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いかについて書き綴っていますが、この記事では「認知症の原因にもなるAGE」について書いていこうと考えています。

ちなみに前回の記事ではD・パールマター氏の著作を取り上げ、AGEsが認知症の原因になる理由について書きましたが、今回はその「AGEs」を研究している山岸昌一氏の著作『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』を取り上げてみたいと思います。

日本におけるAGE研究の第一人者である山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードを食べるな』を読むと、「AGE」の怖ろしさがひしひしと伝わってきます。

その「AGE」とは「終末糖化産物」のことで、「加齢(age)」を意識して名付けられたと言います。

 

では「終末糖化産物」とは何でしょうか?

その説明をするために大切になってくるのは、「ヘモグロビンA1c」と呼ばれる存在です。

山岸昌一氏によれば、「ヘモグロビンA1c」は「正常なヘモグロビンに糖がたんこぶのようにくっついて変質した「糖化産物」」だといいます。

赤血球中のタンパク質の一種である「ヘモグロビン」は「肺から体の組織に酸素を運搬する働き」をしていることは良く知られていますが、そのヘモグロビンに「糖がたんこぶのようにくっついて変質した」のが「ヘモグロビンA1c」なのです。

 

終末糖化産物「AGE」

終末糖化産物「AGE」の怖ろしさとは?

そして「AGE」とは「ヘモグロビンA1c」に代表される糖化物質が変質しきった、毒性の強い物質のことであり、「糖化物質の慣れの果て」を指しているそうです。

その「AGE」の形成に関係しているのは「メイラード反応」と呼ばれるものだといいます。

「メイラード反応」とは、「長く食品化学の領域で糖とタンパク質の化学反応として研究されてきた」もので、「食品を構成する糖とタンパク質が加熱によって変質する化学反応のこと」だとされています。

また「糖とタンパク質がくっついて褐色ないしは黄色になる「褐変反応」」だと言います。

AGEとアルツハイマー認知症の関係とは?

そして厄介なのは糖はヘモグロビン以外にも、体内のタンパク質とくっついてしまうところだと言います。

 

 人間の体内にあるタンパク質はヘモグロビンだけでしょうか? いいえ、そうではありません。体の細胞や組織はほとんどがタンパク質でできています。

 つまり体内の組織が糖にさらされて、長い間体温で温められていると、どんどん糖化が進み、最終的な糖化物質、つまりAGEになっていく。体のあちこち、そこら中にタンパク質が糖化されたAGEがたまっていて、本来の組織を攻撃するようになる。AGEは異常な糖化物質、モンスターなのです。

 人間が老化していく姿とは、こうしたことだったわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p34~35

 

山岸昌一氏がこのように述べている通り、モンスターである「AGE」の怖ろしさとは、体中のタンパク質が「AGE」化し、老化を促していくことだと思われます。

ではその「AGE」とアルツハイマー認知症にはどのような関係性があるのでしょうか?

一般的にアルツハイマー型の認知症は、「アミロイドというタンパク質が脳の組織に沈着して神経細胞が破壊され、進行性の記憶障害、認知機能障害を起こす病気」で「もっとも多いタイプの認知症」だとされています。

また山岸昌一氏は『老けたくなければファーストフードは食べるな』のなかで

 

 アミロイドとはタンパク質が何らかの作用を受けて、本来の構造を保てなくなり、クロスβ構造という特殊な立体構造になってしまい、難溶性の物質として重合、蓄積してしまったものをいいます。

 アミロイドになると、ひじょうに溶けにくい不溶性の性質に変わり、組織に沈着しやすくなります。それが脳にたまると脳の神経細胞が死滅し、アルツハイマー型の認知症を引き起こすというわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p171~172

 そしてこのタンパク質がアミロイド化する原因として糖化、すなわちAGE化が関わっています。タンパク質がAGE化すると、本来のタンパク質の機能を失って劣化したり、変質するという話をしましたが、その中にはアミロイド化も含まれます。アルツハイマー認知症の患者さんでは、βアミロイドのAGE化が三倍進んでいるという報告があります(略)。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p172

 

と述べています。

 

つまり、老化を促す終末糖化産物「AGE」はアルツハイマー認知症の発症に深く関わっていると考えられるのです。

したがって、20代・30代・40代の若いうちからアルツハイマー認知症を予防するためには、この「AGE」が形成されないよう、日頃の食事に気をつけることが重要になってくると考えられます。

 

この「AGE」が大量に含まれる食品はこんがりと焦げ目や焼け目がついた料理や電子レンジで2、3度温めた食品、果糖が含まれた清涼飲料水やハンバーガーなどのファーストフードだと言います。

さらにポテトチップスとフルクトースコーンシロップ・異性化液糖が含まれた清涼飲料水の組み合わせは「AGE」の観点からすると最悪だと山岸氏は述べています。

 

当ブログでは認知症発症の要因としてサラダ油白砂糖を取り上げてきましたが、この「AGE」も認知症の発症に深く関わっているように思います。

 

AGEsが認知症の原因になる理由とは?

当ブログでは20代、30代、40代から若年性の認知症を予防するには、どうすれば良いのか、その方法を探っていますが、前回の記事で取り上げたデイヴィッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』を読んでいると、「AGEs」と呼ばれるものが、どうやら認知症と関係していることが、分かってきます。

 

日本でも「AGEs」は老化を促す原因だとして注目されていますが、その「AGEs」とは、糖化反応によって形成される「終末糖化産物」のことだと言います。

 

 糖化反応とは、糖分子がタンパク質、脂肪、アミノ酸に結合することを意味する生化学用語だ。糖分子自身が結合し、自然発生的に起こる反応で、メイラード反応と呼ばれることもある。

(中略)

 このプロセスは終末糖化産物(通例、AGEsと略記される)を形成し、このAGEsによってタンパク質の繊維がゆがめられ、硬くなってしまう。

 年相応に老化しているヒト、つまりシワやたるみ、肌の変色があり、また加齢によって輝きが失われた人を見ると、AGEsの作用がわかる。その身体的影響は裏切り者である糖と手を組んだタンパク質によるものであって、AGEsが肌の老化において重要な役割を果たしている理由の説明にもなる。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p179~180

 

 糖化反応は、生命にとって不可避な代謝や基本的な老化のプロセスの産物である。

 最近では糖分子とタンパク質の結合を利用して、糖化反応がどれだけ進んでいるかを計測することすら可能だ。

(中略)

 脳と体のアンチエイジングの目的は糖化反応を制限するか、遅らせることは明らかだ。実際に、アンチエイジングの計画の多くは、現在、どのように糖化反応を軽減し、ひいては有毒な結合を解消させようとするのかに注目している。しかし、高炭水化物の食事をしていながらではそれは実現できない。炭水化物の食事によって糖化反応のスピードは増すからだ。

 とくに糖質は糖化反応を急速に促進する。というのも、糖質は体内のタンパク質とたやすく結合するからだ(ちなみに、アメリカにおいて、食事のカロリー源のナンバーワンは異性化糖だ。これは糖化反応の速さを一〇倍に上げる)。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p180~181

 

 タンパク質が糖化すると、少なくとも二つの重要な事態が起きる。

 まず、糖化したタンパク質の機能はにぶくなる。次に、タンパク質はいったん糖と結合すると、同様にダメージを受けたほかのタンパク質とも結びつき、この結合によってますます機能は低下する。

 おそらくもっと重要なのは、タンパク質はいったん糖化されるとフリーラジカルの産生が大幅に増え、これをきっかけに組織は破壊され、脂肪、そのほかのタンパク質、DNAさえもダメージを受けるということである。

 困ったことに、タンパク質の糖化反応そのものは代謝の正常なプロセスであるにもかかわらず、度を超すと多くの問題が持ち上がる。

 糖化反応の度合いが高まると、認知低下のほか、腎臓疾患、糖尿病、血管疾患、それにいま述べたような老化自体の実際のプロセスにも結びつくのだ。

 体内のどんなタンパク質でもこの糖化プロセスは避けられず、AGEsになり得る。だからこそ、世界中の医学研究者は薬物を用いてAGEsの形成を軽減するさまざまな方法を、懸命になって開発しようとしているのだ。しかし、AGEsを形成させない一番の方法は何より、AGEsの形成に使える糖質を減らすことであるのは明らかだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p181~182

AGEsとアルツハイマー型認知症の関係

 AGEsとアルツハイマー認知症の関係とは?

さらにデイビッド・パールマター氏は、『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで「脳にダメージを与えたくないなら、「糖化」を防げ」として、以下のように述べています。

 

 AGEsは、炎症がもたらすダメージの原因となるだけではなく、血管に対するダメージも伴い、さらには糖尿病と血管にかかわる問題にもつながる。

 冠動脈性心疾患や脳卒中のリスクが糖尿病では大幅に増えるのだ。糖尿病を抱える多くの人は脳に血管を供給する血管にかなりのダメージを受けている。その血液供給の問題が原因となり、アルツハイマー病ではなくても認知症に苦しむ可能性がある。

 先に、LDL、いわゆる悪玉コレステロールは、脳に欠くのできないコレステロールを運ぶ大切な運搬体のタンパク質であると説明した。このLDLは酸化されるときにかぎって血管を破壊する。加えてタンパク質であるLDLは糖化されるとき、劇的に酸化を増大するのだ。

 酸化ストレスと糖質は明らかに結びついている。タンパク質が糖化されると、産生されるフリーラジカルの量は五〇倍に増え、これがきっかけで細胞の機能を失われ、結果的に細胞は死んでしまう。

 悲しいことに、アルツハイマー病、パーキンソン病ルー・ゲーリッグ病のような深刻な神経障害の診断が下されるまでにすでにダメージは生じている。つまり、脳に損傷を与える酸化ストレスの活動を軽減したいなら、糖化に利用される糖質を減らさなくてはならない。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p182~183

 

デイヴィッド・パールマター氏は「AGEs」とアルツハイマー病の関係性について、このように述べています。

 

つまり、若いうちからアルツハイマー認知症を予防するためには、この終末糖化産物である「AGEs」が形成されないよう、適度に糖質を減らしていくことが、重要になってくると考えられるのです。

 

当ブログでは、体調を崩すほどの過剰な糖質制限を推奨するわけではありませんが、白砂糖や異性化糖が大量に含まれた甘い物を食べ過ぎるのは、やはり、認知症を予防し、脳の健康を維持していくためには、良くないと言えそうです。

 

AGEsと認知症

 

また、腸内細菌の集まりである腸内フローラにとっても、白砂糖は良くないとされているため、脳だけではなく、腸の健康のためにも、白砂糖や人工甘味料異性化糖、果糖ブドウ糖液糖など)が含まれた甘い物の摂りすぎには気をつけたほうが良いと思われます。

 

砂糖に関しては以前も、「白砂糖やブドウ糖の摂りすぎがアルツハイマー型認知症を引き起こす?」という記事で、白砂糖の代わりにオリゴ糖を摂ることをおすすめしましたが、砂糖の代わりにオリゴ糖や低GI値のココナッツシュガーなどを摂るようにすることが20代、30代、40代からの若年性認知症予防対策につながっていくと考えられます。

 

 

 

 

アルツハイマー型認知症を引き起こす原因は脳の炎症?

当ブログでは、20代・30代・40代から(若年性)認知症を予防するにはどうすれば良いのかを、食事の話題、特にサラダ油をやめることと、腸内フローラの改善を中心にして書き綴ってきました。

 

このたび、この記事で考えてみたいのは、アルツハイマー認知症と「脳の炎症」の問題です。

この脳の炎症とアルツハイマー病、さらに日々の食事の問題に気づき、その関連性について言及しているのは、神経科医のデイヴィッド・パールマター氏です。

 

デイヴィッド・パールマター氏は『「いつものパン」があなたを殺す』のなかで脳と炎症について以下のように述べています。

 

 私は、がんを治療したり、言い表わせない痛みを抑え、肥満をただちに克服させ、アルツハイマー病のせいでダメージを受けてきた脳を元に戻したりするための処方箋は書けない。

 症状を一時的に軽減するといった対処はできる。しかし、その根本的な原因を治すことと、単に症状を食い止めることとの間には大きな差がある。

 そうした病気の多くは、手に負える状態ではなくなった「炎症反応」に端を発している。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p42

 

 脳疾患の原因は多くの症例において、たいがいは食事だ。脳の不具合の発生と進行にはいくつかの因子がかかわっているものの、だいたいの場合、炭水化物を食べすぎたとか、健康的な脂肪をほとんど口にしなかったという過ちのせいだ。

 この事実を理解するには、あらゆる神経系の病気の中でもっとも恐るべきもの、つまりアルツハイマー病を考えることだ。そしてアルツハイマー病を、食事だけが引き金となる糖尿病の一種という視点で見てみることだ。質の悪い食事をとっている肥満や糖尿病になり得ることは誰もがわかっている。果たして脳も同じように壊れてしまうのか。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p43

 

また特に「炎症」に関しては、以下のように述べています。

 

 脳疾患も含めてすべての変性疾患を引き起こすのが「炎症」であることは、研究者たちにはかなり前から知られていた。そして研究者たちは、グルテン、さらに言えば高炭水化物の食事が脳に達する炎症反応の原因になっていることを見出しつつある。

 ふだん、腸内ガス、膨満感、便秘、そして下痢などは比較的すぐに症状が現れるので、消化器系疾患や食物アレルギーには気づきやすい。ところが、脳はとくにわかりにくい器官だということだ。分子レベルではあなたが気づかないうちにずっと激しい攻撃に耐えているかもしれない。頭痛を治そうとしたり、明らかな神経系の問題に対処したりしないかぎり、脳で何が起こっているかはわからず、とうとう手遅れということになり得る。脳疾患に関して言えば、いったん認知症などの診断が下されると、そこからの方向転換は難しいのだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p53

 

アルツハイマー病の原因は脳の炎症

 

 炎症とはそもそも比較的短い日数で治るものだ。長い時間にわたって続くものではないし、ましていつまでも続くものは決してない。ところが、この続くはずのないものが、いまや何百万人もの人たちにおいては続いているのである。もしも体が常に刺激物にさらされて絶えず攻撃を受けていたら炎症反応も続いたままだ。しかも血流を介して体のあらゆる部分に広がってしまう。その結果、私たちは血液検査を通じてこの種の広範囲におよぶ炎症を見出せるというわけだ。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p60

 

 炎症が本来の目的から逸脱すると、さまざまな化学物質がつくられ、それらが細胞にとっては直接的に有毒になる。これによって、細胞の機能が低下し、やがて細胞は破壊される。抑えのきかない炎症は、冠状動脈疾患(心臓発作)、がん、糖尿病、アルツハイマー病、それに実質上、思い浮かぶかぎりすべての慢性疾患に伴う病的な状態、あるいは死の根本的原因であることがわかっている。(デイヴィッド・パールマター『「いつものパン」があなたを殺す』白澤卓二訳 p60

 

アルツハイマー認知症の予防には脳の炎症を防ぐための食事が大切

デイビッド・パールマター氏は脳と炎症に関してこのように言及していますが、この引用文を読んで悲観的になる必要はなく、食事に対する認識を変えることが何よりも重要だとも述べています。

そのため、アルツハイマー認知症予防のためには、これからは、脳の炎症を防ぐような食事の摂り方が非常に大切になってくると考えられるのです。

 

ちなみに、デイビッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』は、「グルテン過敏症」の問題を主に取り上げ、タンパク質の一種であり、パンをふっくらさせるのに使われるグルテンの、からだや脳に対する悪影響について述べています。

また糖質(主にグラニュー糖や異性化糖)の摂りすぎについても問題視しています。

 

一方、脳の炎症を抑える働きがあるのは、DHAをはじめとしたオメガ3脂肪酸だとされています。

 

 人間の脳はその重さの三分の二以上が脂肪であり、そのうちの四分の一がDHAである。そしてこのDHAは抗炎症作用を持っていて、体に負担がかかるような食事をとると、体を守るために戦士のように戦ってくれる。たとえば、グルテンに反応して起こる腸の炎症を抑えたり、糖質(とくにはちみつや果物に含まれる果糖)たっぷりの食事による悪影響を防いだり。さらに、炭水化物を摂りすぎて脳の代謝が低下するのを防いだりする。(デイビッド・パールマター/クリスティン・ロバーグ『「いつものパン」があなたを殺す』 p252~253

 

 魚の油は、脳血管や脳細胞で炎症を抑制することでも、脳を強力にガードしてくれている。専門家のあいだでは、炎症は脳の組織や機能の破壊の原因になり、脳卒中アルツハイマー病を進行させるという認識が高まっている。炎症を誘発して血管にダメージを与えたり細胞間の情報伝達を妨害するホルモン様物質であるプロスタグランジン、ロイコトリエン、サイトカインの生成を、オメガ3は抑えてくれる。オメガ6を多く含んだ油(コーン・オイル、紅花油、ひまわり油、大豆油など)を摂る量が多いほど、オメガ3の摂取量も増やさないと、炎症を抑えにくくなってしまう。(ジーン・カーパー『奇跡の脳をつくる食事とサプリメント』丸本淑生訳 p104~105

 

このように、オメガ3脂肪酸DHAEPA・α‐リノレン酸)は、脳の炎症を抑えるのに有効だとされています。

そのため、日頃の食生活において、DHAEPAが不足しないように心がけることは、脳の炎症を抑えるためには大切だと考えられるのです。

 

 

ところでデイビッド・パールマター氏の『「いつものパン」があなたを殺す』はベストセラーになり、「糖質制限ダイエット」ブームに拍車をかけたり、「グルテンフリー」という言葉が流行るきっかけになったりした本だという印象を受けます。

しかし、ただのブームで終わらせるのではなく、若いうちからアルツハイマー認知症を防ぐ方法を考えていくうえで、脳の炎症の怖ろしさについてなど、様々な示唆を与えてくれる一冊であるように思われます。

 

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ココナッツオイルが20代・30代・40代からの認知症予防に大切なスーパーフードなワケ

ココナッツオイル20代・30代・40代から認知症を予防するために必須の「スーパーフード」だと言えるかもしれません。

近年、ココナッツオイルはダイエット効果と認知症アルツハイマー病を予防する効果が高いとして、非常に注目されるようになりました。

では、なぜココナッツオイルが認知症アルツハイマー病の予防に効果的なのでしょうか?

その理由は、ココナッツオイルには他の脂肪酸よりもエネルギーになりやすいとされる中鎖脂肪酸が多く含まれているのですが、その中鎖脂肪酸が「ケトン体」というものを作り出しやすいとされているからです。

ココナッツオイルは認知症予防に効果的

認知症予防に効果的な「ケトン体」とは?

この「ケトン体」が脳のエネルギー源として使われるため、中鎖脂肪酸が豊富に含まれているココナッツオイルは、認知症アルツハイマー病に予防・改善に効果を発揮すると言われているのです。

ちなみに、一般的に脳のエネルギー源はブドウ糖のみだとされています。

しかし、食料が手に入らなくなって三日ほど経過すると、肝臓が体内の脂肪を使って特別な脂肪を作り出します。

そのブドウ糖の代わりとして、脳のエネルギー源になる特別な脂肪が「ケトン体」なのです。

その「ケトン体」とはアセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトンの総称のことで、ケトン体は、ココナッツオイルに豊富に含まれている中鎖脂肪酸から最も効率的に作られると言われています。

ココナッツオイルが認知症を予防する理由

特にココナッツオイルを食事に加えるだけで簡単に作られるケトン体中のβヒドロキシ酪酸は、脳にとって非常に効率の良いエネルギー源であるうえ、脳の認知機能を保つ働きもあると言われています。

さらに、βヒドロキシ酪酸は細胞を老化に導く活性酸素を無毒化する抗酸化酵素も活性化するそうです。

また、中鎖脂肪酸によって作られたケトン体が増えると記憶力の低下を抑制するという近年の研究報告があります。

ちなみにこの「ケトン体」に関して、『ココナッツオイル健康法』のなかでブルース・ファイフ氏が以下のように述べています。

 

 アルツハイマー病の根本的な問題は、脳が効率的にブドウ糖(血糖)を利用できず、エネルギーの生産ができなくなることである。この、エネルギー変換の不具合によって、脳細胞は飢餓状態になり、ストレスに耐える力が弱くなる。その結果、脳は急激に老化し、認知症に至るのである。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p288

ココナッツオイル健康法

 脳は体の中で最も代謝活動が活発な臓器である。機能を維持するためには、眠っている間でさえ、絶え間ないエネルギー補給を必要とする。エネルギーの補給が少しでも滞れば脳の機能は著しく阻害される。血液中のブドウ糖量(血糖値)が下がると、脳は、機能を維持し、生き残るために、それに代わるエネルギー源を必要とする。この代替エネルギー源は、ケトン体またはケトンと呼ばれる形で存在する。ケトンとは、特に脳に栄養を与えるために肝臓でつくられる、特別な種類の高エネルギー燃料のことだ。肝臓は、蓄えられた脂肪からケトンを産生する。普通の状態では、ケトンが産生されるのは血糖値が低いときだけだ。血中のブドウ糖濃度が低くなるとケトンの産生が始まるのである。次に食事をとると、ブドウ糖濃度が回復し、ケトンの産生が始まるのである。次に食事をとると、ブドウ糖濃度が回復し、ケトンの産生が減少する。こうすることで、脳には常に、ブドウ糖かケトンのどちらかが供給される。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p290

 

 アルツハイマー病にかかった脳細胞は、脳の主要なエネルギー源であるブドウ糖を代謝することができなくなる。十分なエネルギーを得られなくなった脳は、徐々に変性を起こして死んでしまうのだ。だがケトンは、アルツハイマー病に伴うブドウ糖代謝不良とは関係なく機能する。だから、十分なケトンが継続的に供給されれば、脳に必要なエネルギーを満足させられるのである。ただし、ケトンが産生されるのは炭水化物(ブドウ糖の主な材料)の摂取が少ないときだけだ。それはつまり、ごくわずかしか食べない、あるいはまったく食べ物を口にしないときである。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p290~291

 

ココナッツオイルでの認知症予防は正しい知識が必要

このように、ケトン体を生み出してくれるココナッツオイルは認知症アルツハイマー病を患っている方にとっては有効な食材であることは確かだと思われます。

しかし認知症アルツハイマー病を治療するためには、糖質制限をはじめとした「ケトン食療法」と呼ばれる、特別な治療法の正しい知識が必要になってきます。

そのため、ココナッツオイルで認知症予防をする際は、個人で判断して極端な糖質制限や無茶な断食を行うことは健康を損ねる可能性があるので、避けた方が良いと思われます。

また、ただココナッツオイルをパンに塗って食べるだけでは、認知症アルツハイマー病を改善することにはならないため、注意が必要です。

 

 日常の食事にココナッツオイルを加えるのは、脳の健康には非常に優れた効果があるが、ココナッツオイルだけでは完全とは言えない。食べ物そのものも脳の健康に関係がある。何を食べるかによって、ココナッツオイル療法の効果を補強する場合も邪魔をする場合もあるのだ。間違った食事をとれば、ココナッツオイルの効果を妨害することになる。食事にココナッツオイルを加えたアルツハイマー病患者の中に、目覚ましい効果を出る人もいればさしたる改善が見られない人もいるのはそういう理由である。

 脳にとって一番良い食事は、必ずしも、減量のエキスパートやファッション雑誌が勧める、いわゆる「ヘルシーな」食事とは限らない。必要なのは、脳の健康を増進するためにデザインされた治療食なのだ。(ブルース・ファイフ『ココナッツオイル健康法』三木直子 訳 p294~295

 

もしココナッツオイルを認知症予防に活用したい場合は、その方法を書籍で調べて知識を蓄えたり、専門医に相談したりすることが重要です。

しかし、ココナッツオイルが20代・30代・40代からの認知症を予防するためのスーパーフードとして活躍してくれることは、間違いなさそうです。

 

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