20代・30代・40代からの認知症予防対策

認知症を予防するための対策は20代・30代・40代からが大切です。

物忘れやど忘れ、注意力・集中力の低下の原因とは?

認知症の症状でもある物忘れやど忘れ、注意力や集中力の低下などが起こってくる原因とは一体何でしょうか?

このことに関して、脳科学専門医の山嶋哲盛氏は、「シナプス膜」の不具合が、物忘れや注意力の低下などを引き起こすと述べています。

 

 脳内の神経シナプス(神経細胞間で信号を受け渡す接合部分)の脱落などの不具合が生じると、まず、軽度の「物忘れ」や「注意力・集中力の低下」が始まり、いずれかないし両者が徐々にひどくなって、10~20年後には認知症となってしまいます。(山嶋哲盛『サラダ油をやめれば認知症にならない』p65

 

ちなみに「シナプス」とは「神経細胞間で信号を受け渡す結合部分」のことです。

山嶋哲盛氏によれば、脳内で情報は電気信号として軸索を移動していきますが、その電気信号が他の神経細胞に受け渡される際に、神経伝達物質と呼ばれる化学物質に変換されなければならないと言います。

その神経伝達物質にはセロトニンドーパミンノルアドレナリンアセチルコリングルタミン酸などがあります。

ではなぜ電気信号が神経伝達物質に変換されなければならないのかといえば、その理由は神経細胞と神経細胞の間にはわずかな隙間が存在しているからです。 

 

 情報の伝わり方ですが、まず電気信号となった情報は細胞体から軸索へと進みます。軸索の先端は枝分かれし、ほかの神経細胞のスパインと接合しています。

 この接合部分がシナプスです。接合と言っても、ぴったりと接着しているのではありません。接合部分には数万分の1mmほどの隙間(シナプス間隙)が空いています。シナプス間隙を挟んで向かい合う軸索側の末端部分をシナプス前膜、相対する側の先端をシナプス後膜といい、シナプス前膜とシナプス後膜の間は電気信号ではなく、化学信号が情報を伝えます。

 つまり、軸索の先端にあるシナプス前膜まで伝わった電気信号ですが、そのままでは隙間を超えることができません。そこで、電気信号はシナプス前膜で神経伝達物質と呼ばれる化学物質に変化してシナプス間隙に飛び出します。(中略)

 これらの神経伝達物質シナプス後膜の受容体がキャッチします。すると神経伝達物質は受容体と結合して再び電気信号となり、軸索を通り、つぎの神経細胞へと伝達されていきます。(山嶋哲盛『サラダ油をやめれば認知症にならない』p67~68

 

このように脳の情報伝達には「シナプス膜」の存在が深く関係しているのですが、シナプス膜」はヒドロキシノネナールなどを含む質の悪い油によってドミノ倒しのようにどんどんサビついてしまうと山嶋哲盛氏は述べています。

なぜならシナプス膜は脂肪酸とタンパク質、コレステロールなどによって形成されているからです。

もしシナプス膜の形成にサラダ油などの質の悪い油が入り込み続ければ、「まずはシナプスがさびついて機能しなくなり、いずれ、神経細胞自体もさびつき、最終的には死滅してしま」うと山島氏は言います。

そして「単なる「物忘れ」であったものが、治癒が不可能な認知症へと進行していく」と述べています。

このようにシナプス膜は脳内の情報伝達に重要な役割を果たしており、もしサビついて機能が低下してしまうと、物忘れやど忘れ、注意力や集中力の低下の原因にもなってしまいます。

そのため、20代・30代・40代から認知症を予防していくためには、認知症の原因になるヒドロキシノネナールやトランス脂肪酸が含まれたサラダ油をなるべく避け、代わりに大切なシナプス膜をケアするためにオメガ3脂肪酸が豊富に含まれた亜麻仁油やえごま油などを積極的に摂るようにすることが必要になってくるのです。