20代・30代・40代からの認知症予防対策

認知症を予防するための対策は20代・30代・40代からが大切です。

エキストラバージンオリーブオイルは認知症の予防に役立つ?

前回の記事で20代・30代・40代から認知症を予防するための油の摂り方・選び方を紹介しましたが、一般的に体に良いといわれている「エキストラバージンオリーブオイル」には、認知症を予防する効果はあるのでしょうか?

近年の研究では、オリーブオイルに含まれる「オレオカンタール」という天然化合物が、アルツハイマー病で神経破壊の主要因となっている神経原線維変化とベータアミロイド斑の形成を妨げるとされています。

そのため、エキストラバージンオリーブオイルを日常的に摂取することはアルツハイマー認知症の予防につながるとも言われています。

ところで、オリーブオイルに含まれる脂肪酸は、約7割が「オレイン酸」です。

この「オレイン酸」は腸壁や大腸を刺激し、便の滑りを滑らかにして排便を促し、便通を良くすると言われています。

そのため、エキストラバージンオリーブオイル便秘の解消に役立つとして、腸の健康法を提唱している藤田紘一郎氏や松生恒夫氏が腸の健康のためにエキストラバージンオリーブオイルを摂るようにすることを推奨しています。

便秘は腸内の環境を悪化させてしまう大きな原因ですので、便秘が解消されて腸内環境が整うことは腸内細菌の集まりである腸内フローラを改善することに直結します。

さらにエキストラバージンオリーブオイルには活性酸素の働きによって細胞が老化するのを防ぐ「ポリフェノール」が豊富に含まれています。

f:id:yansaturn0305:20160415202015j:plain

オリーブオイルの便秘解消効果は認知症の予防に役立つ

しかし、エキストラバージンオリーブオイルは、オメガ3脂肪酸が少量しか含まれていないため、亜麻仁油やえごま油のような、脳の神経細胞に作用する認知症予防効果はありません。

ですが、先程も述べたように「オレイン酸」による便秘の解消効果は、認知症の予防に役立つと思われます。

なぜなら認知症の患者さんたちの多くは便秘に悩まされていると言われているからです。そのため、便秘による腸内環境の悪化は認知症と何らかの関係があると推察できるのです。

また「腸脳相関」といった言葉が示すように、腸の健康状態は脳の健康にも関係してきます。

腸内フローラ(腸内細菌叢)と認知症の詳しい関係についてはこちらの記事を参照していただきたいと思いますが、便秘を解消することで、腸内環境を良くするという意味では、エキストラバージンオリーブオイル認知症の予防対策に効果的だと言えます。

エキストラバージンオリーブオイル

エキストラバージンオリーブオイルの選び方

しかし、エキストラバージンオリーブオイルは、「エキストラバージン」という名称がついていても、品質にはかなりの差があるのが現状です。

実はオリーブオイルには、精製したオリーブオイル、ピュアオリーブオイル、エキストラバージンオリーブオイルといった種類があります。

精製オリーブオイルとは、酸度が3.4%以上であるランパンテバージンオリーブオイルを精製したもので、抗酸化作用(活性酸素が細胞の老化を促すのを防ぐ)のあるポリフェノールが除去されてしまっています。

バージンオリーブオイルはオリーブの果実をそのまま搾ったオイルで、「エキストラバージンオリーブオイル」はそのなかの最高級品です。

ピュアオリーブオイルは精製したオリーブオイルとバージンオイルをブレンドしたものです。

この中で選ぶべきはやはり「エキストラバージンオリーブオイル」なのですが、本物の「エキストラバージンオリーブオイル」を選ぶ際の注意点としては、まず酸度が出来るだけ低いのものを選ぶことが挙げられます。

この「酸度」とは酸化の度合いのことで、酸度が0.1~0.3%程度のものが望ましいとされています。

また価格帯は1ccで10円程度のものを選ぶのが理想的だと言われています。

すると、きちんとした品質の「エキストラバージンオリーブオイル」は500mlで5000円程度はすることになり、スーパーなどで1000円程度で販売されているエキストラバージンオリーブオイルは偽物だということになります。

したがって本物の「エキストラバージンオリーブオイル」を手軽に購入することは、非常に高価であるという理由によって難しくなってきます。

もしそれでも「エキストラバージンオリーブオイル」を実際に購入したい場合は、せめて500mlで2000円~3000円程度のものを選ぶようにした方が、オリーブオイル本来の健康効果は期待できるようになります。