20代・30代・40代からの認知症予防対策

認知症を予防するための対策は20代・30代・40代からが大切です。

認知症の原因にもなるAGEとは?

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いかについて書き綴っていますが、この記事では「認知症の原因にもなるAGE」について書いていこうと考えています。

ちなみに前回の記事ではD・パールマター氏の著作を取り上げ、AGEsが認知症の原因になる理由について書きましたが、今回はその「AGEs」を研究している山岸昌一氏の著作『老けたくなければファーストフードを食べるな 老化物質AGEの正体』を取り上げてみたいと思います。

日本におけるAGE研究の第一人者である山岸昌一氏の『老けたくなければファーストフードを食べるな』を読むと、「AGE」の怖ろしさがひしひしと伝わってきます。

その「AGE」とは「終末糖化産物」のことで、「加齢(age)」を意識して名付けられたと言います。

 

では「終末糖化産物」とは何でしょうか?

その説明をするために大切になってくるのは、「ヘモグロビンA1c」と呼ばれる存在です。

山岸昌一氏によれば、「ヘモグロビンA1c」は「正常なヘモグロビンに糖がたんこぶのようにくっついて変質した「糖化産物」」だといいます。

赤血球中のタンパク質の一種である「ヘモグロビン」は「肺から体の組織に酸素を運搬する働き」をしていることは良く知られていますが、そのヘモグロビンに「糖がたんこぶのようにくっついて変質した」のが「ヘモグロビンA1c」なのです。

 

終末糖化産物「AGE」

終末糖化産物「AGE」の怖ろしさとは?

そして「AGE」とは「ヘモグロビンA1c」に代表される糖化物質が変質しきった、毒性の強い物質のことであり、「糖化物質の慣れの果て」を指しているそうです。

その「AGE」の形成に関係しているのは「メイラード反応」と呼ばれるものだといいます。

「メイラード反応」とは、「長く食品化学の領域で糖とタンパク質の化学反応として研究されてきた」もので、「食品を構成する糖とタンパク質が加熱によって変質する化学反応のこと」だとされています。

また「糖とタンパク質がくっついて褐色ないしは黄色になる「褐変反応」」だと言います。

AGEとアルツハイマー認知症の関係とは?

そして厄介なのは糖はヘモグロビン以外にも、体内のタンパク質とくっついてしまうところだと言います。

 

 人間の体内にあるタンパク質はヘモグロビンだけでしょうか? いいえ、そうではありません。体の細胞や組織はほとんどがタンパク質でできています。

 つまり体内の組織が糖にさらされて、長い間体温で温められていると、どんどん糖化が進み、最終的な糖化物質、つまりAGEになっていく。体のあちこち、そこら中にタンパク質が糖化されたAGEがたまっていて、本来の組織を攻撃するようになる。AGEは異常な糖化物質、モンスターなのです。

 人間が老化していく姿とは、こうしたことだったわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p34~35

 

山岸昌一氏がこのように述べている通り、モンスターである「AGE」の怖ろしさとは、体中のタンパク質が「AGE」化し、老化を促していくことだと思われます。

ではその「AGE」とアルツハイマー認知症にはどのような関係性があるのでしょうか?

一般的にアルツハイマー型の認知症は、「アミロイドというタンパク質が脳の組織に沈着して神経細胞が破壊され、進行性の記憶障害、認知機能障害を起こす病気」で「もっとも多いタイプの認知症」だとされています。

また山岸昌一氏は『老けたくなければファーストフードは食べるな』のなかで

 

 アミロイドとはタンパク質が何らかの作用を受けて、本来の構造を保てなくなり、クロスβ構造という特殊な立体構造になってしまい、難溶性の物質として重合、蓄積してしまったものをいいます。

 アミロイドになると、ひじょうに溶けにくい不溶性の性質に変わり、組織に沈着しやすくなります。それが脳にたまると脳の神経細胞が死滅し、アルツハイマー型の認知症を引き起こすというわけです。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p171~172

 そしてこのタンパク質がアミロイド化する原因として糖化、すなわちAGE化が関わっています。タンパク質がAGE化すると、本来のタンパク質の機能を失って劣化したり、変質するという話をしましたが、その中にはアミロイド化も含まれます。アルツハイマー認知症の患者さんでは、βアミロイドのAGE化が三倍進んでいるという報告があります(略)。(山岸昌一『老けたくなければファーストフードを食べるな』p172

 

と述べています。

 

つまり、老化を促す終末糖化産物「AGE」はアルツハイマー認知症の発症に深く関わっていると考えられるのです。

したがって、20代・30代・40代の若いうちからアルツハイマー認知症を予防するためには、この「AGE」が形成されないよう、日頃の食事に気をつけることが重要になってくると考えられます。

 

この「AGE」が大量に含まれる食品はこんがりと焦げ目や焼け目がついた料理や電子レンジで2、3度温めた食品、果糖が含まれた清涼飲料水やハンバーガーなどのファーストフードだと言います。

さらにポテトチップスとフルクトースコーンシロップ・異性化液糖が含まれた清涼飲料水の組み合わせは「AGE」の観点からすると最悪だと山岸氏は述べています。

 

当ブログでは認知症発症の要因としてサラダ油白砂糖を取り上げてきましたが、この「AGE」も認知症の発症に深く関わっているように思います。