20代・30代・40代からの認知症予防対策

認知症を予防するための対策は20代・30代・40代からが大切です。

認知症と腸内フローラ(腸内細菌叢)の関係とは?

20代・30・40代からの認知症を予防するために日頃から出来ることは、サラダ油をやめることです。

そしてもうひとつ、認知症の発症を遅らせるために大切なことは、腸内細菌の集まりである腸内フローラを整えることです。

腸内フローラ(腸内細菌叢)」とは、私たちの腸に生息している100兆個以上の腸内細菌の群生の様子をお花畑になぞらえた言葉です。

認知症と腸内フローラ

腸内フローラとは腸内細菌の群生の様子をお花畑になぞらえた言葉

 

近年、この腸内フローラを改善することで、腸内細菌のバランスを整えることが、生活習慣病の予防や改善、ダイエットなどに有効であるとして、テレビや雑誌などで大きく取り上げられるようになりました。

では、その腸内フローラと認知症がどのように関係してくるのでしょうか?

このことについては、まず「腸内細菌のバランス」と「便秘」の関連が指摘されています。

腸内細菌学のパイオニアであり、東京大学名誉教授である光岡知足氏によれば、認知症アルツハイマー病の患者さんの腸内フローラは、健常者の腸内フローラと比べた場合、悪玉菌(ウェルシュ菌)の菌数が顕著に高い傾向にあったと言います。

また、その患者さんたちの多くは便秘にも悩まされていたとされるため、腸内環境の悪化は、認知症と何らかの関係があると推察できます。

ところで「認知症」は脳の神経細胞の死滅や脳機能の衰退が原因で起こるとされていますが、では、なぜ腸内フローラが脳の機能を健康に保つのに関係してくるのでしょうか?

実は腸は「第二の脳(セカンド・ブレイン)」と呼ばれているほど、脳と密接な関わりがあるのです。

また、「腸脳相関」という言葉があり、腸と脳は密接に連動していると言われています。ちなみに、消化管である腸にも、脳のおよそ6割にものぼる数の神経細胞が存在すると言われています。

腸内細菌の働きが認知症を予防する

さらに、脳内で分泌される「セロトニン」や「ドーパミン」といったホルモンの前駆体は腸で作られることが知られています。

セロトニン」は幸福感に関わりますし、「ドーパミン」はやる気や報酬系に関係しています。

この「セロトニン」や「ドーパミン」を合成する際にはビタミンB6や葉酸といったビタミン類が必要になってくるのですが、このビタミン類を作るのは実は腸内細菌の役割です。

ちなみにアルツハイマー認知症は、血中の「ホモシステイン」の濃度が高いと、発症リスクが高まるとされています。

「ホモシステイン」とは必須アミノ酸の一種である「メチオニン」の代謝における中間生成物ですが、このホモシステインの濃度が高まる理由は、ストレスの影響などによるビタミンB6やビタミンB12、葉酸の不足だと言われています。

先程述べたように、これらのビタミン類を作っているのは腸内細菌であるため、普段から腸内細菌のバランスを整え、腸内フローラを改善していくことは、脳の状態を若々しく健康に保ち、20代、30代、40代の若いうちから認知症を予防することとも関係していると考えられるのです。