20代・30代・40代からの認知症予防対策

20代・30代・40代から認知症を予防するための対策を考えています。

『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』(鬼頭昭三 新郷明子 著)

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いか、その方法について考えていますが、今回の記事では『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2つの「国民病」を結ぶ驚きのメカニズム』(鬼頭昭三 新郷明子 著)を取りあげたいと思います。

 

当ブログではこれまでアルツハイマー認知症を予防するためには、腸内環境・腸内フローラの改善と適度な糖質制限が大事になってくるということについて述べてきましたが、鬼頭昭三・新郷明子氏らによる『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』(講談社ブルーバックス)では、「日本人の国民病」ともいえるアルツハイマー病と糖尿病の関係性に着目しています。

 

アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2つの「国民病」を結ぶ驚きのメカニズム

アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2つの「国民病」を結ぶ驚きのメカニズム 』

 

鬼頭昭三・新郷明子氏らは、『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』のなかで、「では、なぜここで、アルツハイマー病と糖尿病という、一見、関係がなさそうな二つの病気の話をするのでしょうか?」とし、さらに、以下のように述べています。

 

それは、現代日本の二大疾病として浮上してきたからだけではありません。実は糖尿病の人は、そうでない人に比べて二・五倍から三倍程度、またはそれ以上にアルツハイマー病に罹りやすいことが、最近の研究によってわかってきたからです。しかしこの表現は、突っ込んだ言い方をすると正しくありません。糖尿病とアルツハイマー病の関係は〝罹りやすい〟というような生易しいものではないのです。著者らの臨床的な研究や基礎研究によって、この二つの病気の根本的原因が同じであることが浮かび上がってきたのです。この考え方は最近発表された多くの論文の中でも、世界的に支持されてきています。そしていま、有効な対策が見いだせないアルツハイマー病を、糖尿病の薬で治そうとする流れが起こりはじめているのです。(鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』p4~5

 

鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』

 

 アルツハイマー病は、実は2型糖尿病と類似点が非常に多い生活習慣病で、ともに加齢が基本的原因です。アルツハイマー病は、家族または本人が物忘れを感じはじめるよりも一五年から二〇年ほど前に、事実上発病しています。糖尿病もまた、発病していても、自覚症状がまったくないまま、一〇年、一五年を過ごすことの多い病気なのです。

 糖尿病の人がアルツハイマー病に罹りやすいことは、近年、国内外の研究で数多く報告されており、いまではよく知られた事実です。最近の調査でも、アルツハイマー病と糖尿病の患者が並行して増えていることが報告されています。このことは近年、経済成長とともに糖尿病の罹患率上昇が著しい中国やインドでも、同様の傾向がみられています。血糖値が高い人ほど、アルツハイマー病のリスクが高くなるという結果も示されています。(鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』p112

 

糖尿病・アルツハイマー病と関わる「インスリン抵抗性」

そして、鬼頭昭三・新郷明子氏らは、アルツハイマー病と糖尿病の発病の関連性において、ホルモンの一種である「インスリン」と「インスリン抵抗性」が関係していることに着目しています。

ちなみに「インスリン抵抗性」とは、「血液中や脳内などで、存在するインスリンの量に見合ったインスリン作用が発揮できない状態のこと」ですが、鬼頭昭三・新郷明子氏らによれば、どうやら「体が糖尿病になり、高インスリン血症になり、脳内のインスリン情報伝達が支障をきたす」ことが、アルツハイマー病になることと関係しているようなのです。

 

例えば、「インスリン自体が脳の中で記憶物質として働いていることに加えて、インスリン情報伝達の障害が脳での糖利用の低下に繋がることが、アルツハイマー病という結果を生むのです」(p123)と述べられており、さらに、

 

インスリンは脳の中で、神経細胞の生存、修復を支え、記憶をつくり、アミロイドβタンパクを分解する作用を持っています。脳でのインスリン作用がうまく機能しなくなれば、アミロイドβタンパクの蓄積が招きます。さらにいうと、アミロイドβタンパクの蓄積は脳の中のミクログリアといわれる細胞を刺激して、サイトカインなどの炎症性物質の分泌を亢進させ、インスリン情報伝達をさらに悪化させるという悪循環を招き、アルツハイマー病を進行させることになります。(鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』p123~124

 

とされています。

 

そして、「結論としては、アルツハイマー病の基本的な原因は、脳内でのインスリン抵抗性の存在であると考えられるのです」としています。

 

鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』

 

そのため、この『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」 2つの「国民病」を結ぶ驚きのメカニズム』を読む限りでは、糖尿病を予防することは、アルツハイマー認知症の予防にもつながるのだと考えられます。このあたりのことを詳しく知りたい方は、実際にこの鬼頭昭三・新郷明子氏らによる『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』を手に取って一読していただきたいと思います。

 

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オリゴ糖の認知症を予防する効果とは?

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いか、その方法について考えていますが、今回の記事ではオリゴ糖認知症予防効果について述べていきたいと思います。

難消化性の糖質であるオリゴ糖は一般的に腸内細菌のエサになり、ヒトの腸に生息する善玉菌である「ビフィズス菌」を増やすとされています。

実際、フラクトオリゴ糖を摂取すると、摂取前に比べてビフィズス菌の数が約10倍になり、また、検出率も87%から100%に増加することが確認できたという、東京大学名誉教授の光岡知足氏の研究報告があります(参考 光岡知足『腸を鍛える 腸内細菌と腸内フローラ』)。

そのため、腸内細菌のバランスを整えて、腸内フローラを改善していくのにオリゴ糖の摂取は効果的だといわれています。

そして、認知症患者の方の多くは、便秘の傾向があり、悪玉菌が優勢だとされていますので、普段からオリゴ糖を摂取することで、多様な腸内細菌の集まりである腸内フローラを整えていくことは、認知症の予防に十分つながっていくと考えられます(この辺りのことについては、以下の記事を参照してください)。

 

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普段摂っている砂糖や人工甘味料オリゴ糖に替えることが認知症の予防につながる

ちなみに、オリゴ糖自体に認知症を予防するという効果はありません。

しかし、普段摂っている砂糖や人工甘味料をやめて、代わりにオリゴ糖を摂るようにすることは、結果的に認知症を予防することになると考えられます。

以前、「糖尿病がアルツハイマー型認知症の原因になる理由」という記事を書きましたが、アルツハイマー認知症の発症原因のひとつは、砂糖や人工甘味料の摂り過ぎだと思われるのです。

たとえば、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』(森下竜一・桐山秀樹 著)のなかで、

 

 アルツハイマー病が、もし「脳の糖尿病」であるならば、糖尿病にかかった初期の段階で、それ以上進行しないように、原因となる生活習慣を改善しておく必要がある。すると、糖尿病が悪化しないだけでなく、将来、アルツハイマー病にかかる危険性も減少する。

 分かりやすくいえば、糖尿病にかからないようにしておけば、アルツハイマー病にはかかりにくくなる。あるいは、糖尿病とアルツハイマー病は、かかる原因が同じだということだ。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p23~24

 

と述べられています。

また終末糖化産物である「AGE」(AGEs)も、アルツハイマー認知症の発症に深く関わっているとされています。

砂糖の替わりにオリゴ糖で「糖質制限

このあたりのことについては、以下の記事を参考にしていただきたいと思いますが、これからアルツハイマー認知症を予防していくためには、日頃から必要以上に人工甘味料や白砂糖など、血糖値を急上昇させたり乱高下させたりする糖質を摂らないようにする「糖質制限」を行う工夫が必要になってくると考えられるのです。

 

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そしてその認知症予防のためにオリゴ糖は役に立つと考えられるのです。

なぜなら、オリゴ糖は最初に述べたように、腸内環境を改善し、認知症患者の方に多いとされる便秘も解消してくれるからです。

またオリゴ糖はGI値が低く、血糖値をそれほど上げないという性質があるため、認知症発症と隣り合わせの糖尿病の予防にも効果的なのです。

そのため、オリゴ糖認知症の予防に効果を発揮すると言われることはほとんどありませんが、血糖値を急激に上げて糖尿病の引き金になる白砂糖人工甘味料の替わりにオリゴ糖を摂るようにすることは、結果的に認知症を予防し、アルツハイマー認知症の発症リスクを低減させると考えられるのです。

ちなみにオリゴ糖を効率的に摂りたい場合は、オンライン上で購入できる粉末状のものがオススメです。

 

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糖質制限で認知症予防対策は30代・40代・50代からが大切

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いか、その方法について考えていますが、この記事では糖質制限認知症予防対策は、30代・40代・50代からが大切であるということについて述べていきたいと思います。

前回の記事では「糖質制限がアルツハイマー型認知症の予防対策に必要な理由」について、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』(森下竜一・桐山秀樹 著)を取り上げながら述べてみました。

そして、20代・30代・40代からアルツハイマー認知症を予防するためには、まず自分の出来る範囲で、白砂糖や果糖ブドウ液糖、人工甘味料や終末糖化産物「AGE」(AGEs)などを日頃の食生活から減らしてくことが重要だと書きました。

今回の記事では、再び『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』を取り上げながら、認知症予防対策のための糖質制限は30代・40代・50代からが大切な理由について、年代別に考えてみたいと思います。

まず30代についてですが、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』の中では30代からの糖質制限について以下のように述べられています。

 

 一般的に30代は消費されるエネルギーの約7割を占める基礎代謝力が高いが、現代の苛酷な競争社会や厳しい労働環境、そしてファストフード店の頻繁な利用や深夜の食事などで食生活のリズムが乱れて、肥満やメタボリック・シンドローム、さらには糖尿病を引き起こす人が増えてきた。

 その原因のひとつが、糖質の摂り過ぎだ。

 だが、30代の若い頃は動き回る機会も多く、糖尿病患者でもない限り、あまり極端な糖質制限を行う必要はない。

 すなわち、白く精製した白米、パン、麺類、砂糖などを避け、できるだけ玄米や五穀米などの茶色い全粒穀物を摂るようにする。また、血糖値の上がりにくいGI値の低いものを意識して摂るようにしよう。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p178~179

 

このように、30代のうちから、軽い糖質制限を意識した食生活を行うことは、40代・50代にかけて、血糖値のコントロールが難しくなるのを防ぐことになり、そのことが、アルツハイマー認知症の予防にもつながっていくと考えられるのです。

40代での糖質制限について

では40代での糖質制限で気をつけることは何でしょうか?

アルツハイマーは脳の糖尿病だった』の中では40代からの糖質制限について以下のように述べられています。

 

 40代に入って大きな差が表れ始めるのは、基礎代謝が落ちて太りやすくなり、活性酸素によって身体の老化現象が進み始めているからである。

 したがって40代に入って太り始めたら、糖質制限の内容を30代よりも少し強化したい。そして野菜などを先に食べる「食べる順ダイエット」や、しっかりと噛んでから呑み込むように意識し、ゆっくりと食べることも心がけたい。

 できれば、家族と談笑しながら、楽しんで食事をすることが若い頃よりもさらに重要になる。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p180~181

 

また、特に40代で気をつけることは、「40代になったら、何を食べるかだけでなく、誰とどう食べるかが重要になってくる」ため、楽しんで食事をするよう心がけることだと言います。さらに、そのほうが太りにくいのだそうです。

50代の糖質制限認知症予防のために特に重要

最後に50代での糖質制限についてですが、30代、40代で糖質制限をおろそかにしてしまったり、30代・40代と同じような食生活を送ってしまったりすると、高血糖に悩まされると言います。

 

 50代に入ると、多くの人は生殖のための身体から、その目的を終えた後の長生きする身体へと切り替わる。

 したがって、30代、40代の頃のように糖質を主食とする食生活を送っていると、グリコーゲンをエネルギーとするシステムが過剰に働き過ぎて、大量の活性酸素を発生させてしまう。

 そこで、砂糖などの甘味料を多量に含む間食やジュースなどは極力避けるようにし、糖質を大量に摂ると起こる血糖値の急上昇とインスリン・ホルモンの大量の追加分泌を起こさないように注意したい。

 こうした「高血糖の呪い」に気づかずに高血糖の生活を長期間続けてきた人は、それだけAGEが多く蓄積し、動脈硬化を発生しやすくなっている。それが50代半ば頃である。

 そんな場合は、とりあえず厳しい糖質制限を実践して血糖値を下げ、肥満からも脱出しておくことが大切だ。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p182~183

 

このように、「「高血糖の呪い」に気づかずに高血糖の生活を長期間続けてきた」場合、動脈硬化を発生しやすくなっているため、そのような場合は、「厳しい糖質制限」も必要になってくると言います。

また60代になったら、「50代から続けている糖質制限と抗酸化ストレスに対応した食生活に完全にシフトし、大豆タンパク質や良質な肉、魚類を、食物繊維の豊富なタップリの野菜類とともに食べるようにするとよい」と述べられています。

さらに「60代では量より質を考え、ドカ食いは避け、良質な肉を週に1~2回、取るとよい。糖質制限をして肥満を防ぎ、大豆タンパク質や良質な肉で食生活を楽しみ、痩せ過ぎを避ける」ことも大切だと言います。

糖質制限は50代・60代からでも遅くはない

以上、30代・40代・50代からの糖質制限について、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』を引用しながら述べてきましたが、血糖値を乱高下させる砂糖や人工甘味料などを避ける糖質制限は、20代から始めるに越したことはありませんし、砂糖や人工甘味料の危険性に気づいたら、50代・60代からでも、糖質制限を始めることは決して遅くはないように思います。

したがって、ぜひアルツハイマー認知症の予防対策のために、白砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの人工甘味料を避ける糖質制限を行ってみることをお勧めします。

 

アルツハイマーは脳の糖尿病だった

糖質制限がアルツハイマー型認知症の予防対策に必要な理由

この記事では「糖質制限アルツハイマー認知症の予防対策に必要な理由」について書いていきたいと思います。

前回の記事では糖尿病とアルツハイマー認知症の発症の関係について述べましたが、20代・30代・40代から認知症を予防していくためには「糖質制限」が必須であるように感じられます。

糖質制限」と聞くと、「糖質ゼロは危険だ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この記事で述べようとしている「糖質制限」は、血糖値の急上昇や乱高下を防ぎ、糖尿病やアルツハイマー認知症の発症を防ぐために必要なことだと考えていただきたいと思います。

その「糖質制限」のメカニズムについて、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』(森下竜一・桐山秀樹 著)の中で、以下のように述べられていますので、参考にしてみてください。

 

 糖質制限のメカニズムは、シンプルである。

 人間の三大栄養素と呼ばれる糖質、タンパク質、脂質のうち、血糖値を上昇させるのは、基本的に糖質のみ。特に白いごはん、白いパン、精製した「白い炭水化物」を短時間にドカ食いするスタイルで摂ってしまうと、血糖値が急上昇する。そのままでは危険なので、それを降下させるため、膵臓からインスリンの追加分泌が大量に起こる。

 また、1日3日の食事に加えて、間食やおやつなどで間断なく糖質を摂り続けると、その都度、血糖値が上昇し、それを降下させるたびにインスリンが分泌される。その際、血管内では、グルコース・スパイクと呼ばれる激しい血糖値の乱高下が起こり、高血糖状態が続くことで、血管内の内皮が傷つけられる。傷口にふたをするために、血栓が付着して、動脈硬化などの原因となっていく。森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p77)

 

 糖質の過剰摂取→血糖値の上昇→インスリンの追加分泌の連続→皮下脂肪・内臓脂肪が腹囲に蓄積→インスリン抵抗性の増大→インスリンの分泌し続ける膵臓の疲弊→血液中の血糖値の日常的な上昇→高血圧、脂質異常症、糖尿病の発症→そして脳内のβアミロイドの蓄積――。

 こうした「負の連鎖」によって、最後は糖尿病からアルツハイマー病の発症に至る。それを断ち切ってくれるのが糖質制限なのである。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p77~78)

 

 糖質摂取を最小限に抑えれば、血糖値の急上昇もなくなる。それを降下させるためのインスリンの追加分泌も行われなくなる。

 その結果、内臓脂肪としてお腹周りに蓄積されなくなる。

 それどころか、すでにお腹周りについた内臓脂肪が急激に取れていく。

 だから、糖質制限を始めるとお腹周りがみるみるスッキリしてくるのだ。

 内臓脂肪は、付きやすい代わりに、落ちやすい。だから糖質制限するとすぐに落ちていく。これに対して、女性に多い皮下脂肪は、母体を守るために蓄えられている、したがって、糖質制限は、どちらかといえば男性のほうが減量しやすいのだ。

 しかし、女性でも半年とか少し時間をかけて糖質制限に取り組めば、人によっては10kg、20kgと痩せることができる。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p78~79)

 

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糖質制限を行う際の注意点は?

また、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』の中で、糖質制限を行う際の注意点として以下のように述べられています。

 

 ただし、糖質制限を行う間は、糖質に代わってタンパク質、良質の脂質を以前より多めに摂らないと、エネルギー源が枯渇してフラフラになって危険だ。

 例えば、新鮮な肉、魚、卵、豆類をタップリと摂り、肉や魚と同時に食物繊維を摂って腸内環境もよくしておくことが必要だ。

 糖質制限は、主食の代わりに肉や魚をいくらでも食べていいと勘違いされるが、物事には全てプラスとマイナスの側面がある。糖質をせっかく制限しても、肉の脂身やバターなど「飽和脂肪酸」と呼ばれる質の悪い脂質ばかり摂っていては、せっかくの糖質制限も効果が半減してしまう。

 そのためにも、脂身はできるだけ控えるようにし、牛や豚の赤身や鶏などの肉類を以前より多く食べ、食物繊維の豊富や野菜をまず先にタップリと食べる。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p80~81)

 

 こうして糖質制限によってメタボから短期間で脱出し、血糖値を下げて、糖尿病のリスクも減らしておく。その結果、インスリン抵抗性も低くなり、アルツハイマー病を引き起こすβアミロイドの蓄積も食い止められる。

 世の中、あれもこれも同時に行おうとすると必ず失敗する。まずは、一定期間、厳しめの糖質制限を徹底することで、メタボから短期間で脱出し、血糖値も下げて、糖尿病のリスクを軽減しておくのがいいだろう。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p82~83)

 

上記の引用文でも述べられていますが、「糖質制限」の注意点としては、まず第一に、「糖質制限」をする代わりに、後は好きなだけ肉を食べてもOKというわけではないということが挙げられます。

冒頭でも述べましたが、この記事で述べている「糖質制限」は、血糖値の急上昇や乱高下を防ぎ、糖尿病やアルツハイマー認知症の発症を防ぐことが目的ですので、「糖質制限」をする分、代わりに糖質が含まれない食品を好きなだけ食べても良いというわけではないのです。

認知症の予防対策のための糖質制限は出来る範囲から

また普段から甘い物を好んで食べているにも関わらず、最初からストイックな「糖質制限」を行うこともあまりオススメできません。

なぜなら最初からあまり無理をしてしまうと、結局、途中であきらめてしまいがちになるからです。さらに口にする食べ物に対して神経質になりすぎることが、からだに対して下手に悪影響を与えてしまうことも考えられます。

そのため、20代・30代・40代から認知症を予防していくためにはまず、からだにとって必要な糖質はしっかりと摂取しつつ、自分の出来る範囲で、白砂糖や果糖ブドウ糖液糖、人工甘味料、終末糖化産物「AGE」(AGEs)などを食生活から減らしてくことが必要になってくるように思われます。

ちなみに「糖質」とは炭水化物から難消化性の繊維質を取り除いたもののことを指します。

つまり、「糖質=炭水化物」ではなく、「正しい糖質制限」とは、決して炭水化物を食事から全て除去してしまうことではないのです。

炭水化物には食物繊維やオリゴ糖など、腸内細菌のエサになり、腸内フローラの改善に欠かせない栄養成分も含まれてきますので、そのことを踏まえた上で糖質制限を行っていくこともからだの脳の調子を健康的に維持するうえで大切になってきます。

特にオリゴ糖を砂糖の替わりに摂るようにすることは、アルツハイマー認知症の予防のためにおすすめです。

以上のことを踏まえつつ、20代・30代・40代の若いうちから認知症を予防していくために、ぜひ、出来る範囲で糖質制限を始めてみてください。

 

参考文献

森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』 青春出版社

鬼頭昭三・新郷明子『アルツハイマー病は「脳の糖尿病」』 講談社

夏井睦『炭水化物が人類を滅ぼす』光文社

山田悟『糖質制限の真実』 幻冬舎

江部康二『人類最強の「糖質制限」論』SBクリエイティブ

生田哲『砂糖をやめればうつにならない』角川書店
 

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アルツハイマー型認知症の治療戦略「タウ仮説」と糖尿病の関係とは?

 

当ブログでは20代・30代・40代から認知症を予防するためにはどうすれば良いか、その方法について考えていますが、この記事ではアルツハイマー認知症の治療戦略「タウ仮説」について書いていこうと思います。

前回の記事では「糖尿病がアルツハイマー型認知症の原因になる理由」について、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』(森下竜一・桐山秀樹 著)を取り上げながら述べました。

今回はアルツハイマー認知症と糖尿病の関係についてより詳しく探ってみたいと思います。

一般的にアルツハイマー病の発症原因として有力なのは「βアミロイド」の蓄積だとされていますが、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』の中は、近年、もうひとつの有力な仮説として、「タウ仮説」と呼ばれるものがあるそうです。

 

 アルツハイマー病発症の10~20年前から、脳の連合野にβアミロイドの凝集が始まり、老人斑というシミができ、やがて、MCIと呼ばれる軽度認知障害が起こると前に述べた。

 しかし、そのMCIを発症する3~5年前に、同じ脳の連合野に、「リン酸化タウ」と呼ばれる物質が蓄積することが最近になって分かってきた。その結果、脳神経の原線維変化と呼ばれる繊維状の塊ができ、これが蓄積すると毒性を発し、凝集することによってやがて神経線維が死滅していく。

 まだ明確なメカニズムは解明されてはいないが、βアミロイドの凝集による毒性と、このリン酸化タウ蓄積による毒性の両方が合わさって、アルツハイマー病が発症すると考えられている。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p38

 

 ならば、βアミロイドによる老人斑が蓄積した後でも、そのタウのリン酸化を阻害し、凝集を抑制し、分解を促進する治療薬を作れば、MCIになるのを防ぎ、アルツハイマー病への進行を防ぐことができるのではないか、という治療戦略が考え出されてきた。

 これが「タウ仮説」と呼ばれるものだ。

 つまり、βアミロイドの蓄積から、5~10年後にタウの蓄積が始まる。そして、この後MCIと移行し、アルツハイマー病が発症する。ならば、このタウの蓄積を食い止めることによって、MCIの進行を防ぎ、2~3年後のアルツハイマー病の発症を、その一歩手前で食い止めようという治療戦略である。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p38~39

 

 

 糖尿病からアルツハイマー病に至る発症プロセスとは

 では糖尿病とアルツハイマー病は具体的にどのように関わってくるのでしょうか?

アルツハイマーは脳の糖尿病だった』のなかでは糖尿病からアルツハイマー病の発症プロセスとして、以下が提示されています。

 

・不規則な生活習慣と食習慣、運動不足、短い睡眠時間、喫煙

  ↓

・高血圧、脂質異常症動脈硬化 + 肥満

  ↓

・インスリン抵抗性の増大

  ↓

・糖尿病

  ↓

・インスリン抵抗性のさらなる増大による脳内のβアミロイド・タンパクの蓄積

  ↓

・脳の表面の老人斑の出現

  ↓

・5~10年後に、脳の内部にリン酸化タウの蓄積

  ↓

・3~5年後に、軽度認知障害(MCI)の発症

  ↓

・数年後にアルツハイマー病を発症

森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p72~73

 

アルツハイマーは脳の糖尿病だった

 

糖尿病はアルツハイマー病へと進行するリスクが高い

さらに、『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』のなかで、糖尿病患者はアルツハイマー病を発症するリスクが高い理由として、以下のように述べられています。

 

 アルツハイマー病は、発症の10~20年ほど前に、脳の表面に老人斑と呼ばれるシミが付着し、これが放置されると脳の内部にタウ・タンパク質が凝集する。さらに、タウが脳の内部で神経原線維にからみついて毒性を出し、神経細胞を死滅させてしまう。この結果、アルツハイマー病を発症させることが分かっている。

 だが、糖尿病患者においては、この老人斑が脳の表面にできる以前から、血管内のβアミロイドの増加で、アルツハイマー病へと進行する危険性が高いのだ。

 そこで「糖尿病」「生活習慣病」を防ぐ観点からの新たなアルツハイマー病予防の対策が打ち立てられるようになってきた。(森下竜一・桐山秀樹『アルツハイマーは脳の糖尿病だった』p75

 

このように述べられているとおり、20代・30代・40代の若いうちからアルツハイマー認知症の発症を防いでいくためには、「糖尿病」「生活習慣病」を予防する観点が必要になってくると考えられます。

そして、アルツハイマー認知症の予防と対策に必要になってくるのは、普段から白砂糖人工甘味料などによって、血糖値を急上昇させたり、乱高下させたりしないようにするための「糖質制限」なのです。